最高級牛ヌメ革のリオショルダーの説明に「使うほどに艶が増して味わいが楽しめる革」とあります。試作品を使っている間に、これも確認できました。製作直後はマットな感じですが、2ヶ月ほどですっかり艶やかな風合いが出ていますよね。(写真右:製作直後、左:2か月後)う~む、本革っていいなぁ。
ミニオーガナイザーは完成間近ですが、まだ改善点はありました。レザー師匠の経験豊かなアドバイスで、クオリティを高めていきたいと思い試作6号に臨みます。
ミニオーガナイザー試作6号<本革>
表の革を厚くした上に芯を入れたので、全体の厚みが気になっていました。芯を薄いものに変更したところで、レザー師匠からクオリティUPのアドバイスが!「革1.5mmなら縫い目に溝を掘れる。溝があると糸の痛みも軽減されて、より高級仕立て。…あれ?糸が…これ焦げ茶だよ?」「え!マジっすかΣ(゜□゜;)ガーン」黒糸だと思い込んで使っていたので、もっと真っ黒な糸が欲しいと不満を持っていた。思い込みってコワイ!
≪課題≫
・スライサー芯0.6mm→0.3mm
・黒糸
ロウが付いている縫う前は分かりにくいとはいえ…自分にガッカリ。これはすぐに黒糸購入で解決です。
・表の縫い目に溝を掘る
溝を掘る道具はステッチンググルーバーと言います。溝がなくても糸はある程度革にめり込んで馴染むのですが、この一手間が上級テクニック。革を削るので失敗が許されない緊張作業です。今回は自分の技術力とミニオーガナイザーに取り入れるかどうかの検討として挑戦しました。まずまずの出来でしょうか、革の厚みが1.5mmに決定したら取り入れたいと思います。
・トコノール黒
完成も近いので、外観のクオリティUPとして革の裏側にも気を配りたいところです。革のコバ(端の部分)処理に使うトコノールの黒を使って、革の裏側を黒くしました。
・鍵の取り出し口の形変更
表の革が厚くなって鍵の出し入れがしにくいそうなので、形状を変えて対応します。カギ用ポケット口は隣のポケットと直線でしたが、中央側を下げて取り出しやすくしました。
試作6号の検証
KA-TSU先生に3ヶ月試用していただくと、かなり形がついていました。革の風合いか型崩れかは受け取り方にもよりますが、中身が入ってない状態でも写真のように形がついてしまっています。試作6号で使用しているスライサー芯(ナイロン、ポリウレタン)をベルポーレン芯(発砲ポリエチレン)にすると表面に凹凸がつきにくいかもしれません。
商品化を見据えて、ファスナー幅が一定化する木型を使った方法を取り入れることにしました。また、カードを入れる際に縫い糸が引っかかる感触があるので、ミシン縫いに変更してみます。これもレザー師匠のアドバイスでした。手縫いにこだわってないのにミシン縫いが思いつかないのも思い込みですね。臨機応変に、使い勝手を優先するのがらくぷらすラボの方針でした。初心を忘れず進めたいと思います。