欲しい服がないなら作る?縫ってくれる人の新しい探し方2 マッチングの難しさ


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前記事で書いた通り、縫製マッチングプラットホーム「nutte」で、 縫製業界に新しい受発注システムが生まれたのは喜ばしいことです。でも、IT関連で働く方々のように、ネットを使ったコミュニケーションや取引を上手く進めるには高いハードルがあると思います。縫製業界にはパソコンが苦手な方も多いし、技術者を安く使ってきた歴史も長いからです。

ネット上のやり取り

ランサーズを利用した際に感じたのは、全体がメール文章のやり取りに慣れていること。簡潔な質問や適切な資料添付、理解力が高いことでスムーズな取引が進められています。また、依頼内容がよく伝わるように提示項目がたくさんあり、技術者の実績も分かりやすく、利用者もしっかりアピールを書き込んでいます。取引進行を細かく表示したり、メールで対話しやすいなど、サイト側と利用者側とでよりよいシステムに成長させたのかなと思っています。

縫製業界では、パソコン・ネットが苦手な方も多いので、慣れない文章記入で、思うように伝えられない、アピールできないという状況をサイト運営側が上手くサポートできるような工夫が、システムに必要だと感じます。nutteでは、注文する内容に「表地・裏地・返却の必要の有無」欄があってイイネと思いました。こういった項目をもっと充実させて欲しいですね。

仕事の適正金額

既に活発なサイトでは、過去の取引を参考にした金額設定ができます。ランサーズでは、技術が安売りされないよう推奨金額などもあり、技術者がサポートされていると感じました。技術の安売りは、日本のほとんどの業界に共通の問題なので、こういった対応は是非欲しいですね。しかも縫製業界は、根深い問題を抱えていて、より深刻です。

企業は一度海外の安い人件費に流れているので、相場を上げるのは簡単ではなさそうです。縫製をしない個人からの注文で一番困るのは「作った方が安い」と思っている人が多いことかもしれません。

「作った方が安い」の思い違い

自分で作れば材料代だけで、労力はタダです。でも、頼めば数時間・数日の作業代がかかります。通常、商品は大量生産してコストを落としています。だから、型紙からオリジナルで作る場合、その値段より高くなるのは当然なのです。

しかし、5000円で売っている商品のオリジナルを、生地代込みで5000円で注文されるケースも少なくないのが現状です。出来ませんって!

このように縫製技術が安く見られる背景には、昔の日本女性の「たしなみ」が深く関わっているのではないかと考えます。
長くなってきたので、日本女性の「たしなみ」は次の記事にて。

… 悲しき縫製技術の評価 につづく

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