試作品の製作『ミニオーガナイザー』編  試作4号 安い革と高い革の違い 作業効率もコスト要素


順調に試作3号に進んだところで、合成皮革の調達経路の確保に動きました。そこで衝撃の事実を知ります。使用した合皮の製造メーカーの廃業!定番だった合成皮革のようでしたが、もう製造されないって(ノД`)・゜・。合皮は本革に比べて劣化が早いので、在庫処理なんかも大変なのでしょうね。いろいろ見比べて気に入った合皮だったので、とても残念ですが仕方がありません。
 
合成皮革で完成度が上がってきていましたが、レザーで作らないまま商品化するのもどうかと思っていたので、このタイミングで本革を使ってみることにしました。

ミニオーガナイザー試作4号<本革>

≪課題≫
・表の本革1mm、内側は0.5mm
・小銭入れも本革
・ペンホルダー角度変更
・カードポケット1枚増やす

作業効率も考えて、最高級牛ヌメ革を採用

 本革を使うとなると商品としてどんなレザーがいいのか?は大きな課題。そんな時はレザー師匠に相談です。以前レザー商品を作ってネットでも販売していた師匠は、その経験から惜しげもなくアドバイスしてくれる有難く頼もしい存在です。
 
薦められたのはイタリア直輸入の「リオショルダー」で、最高級牛ヌメ革。使うほどに艶が増して味わいが楽しめる革のようです。内側はコンビネーション鞣しの「ソフトヌメ」で薄く軽く仕上げます。商品の見栄えだけでなく作業のしやすさも含めて、レザー師匠も財布など小物商品によく使っていたそうです。革にもいろいろあるので高級革すべてが作業しやすい訳ではないでしょうから、経験者の助言はとても助かります。
実際に使ってみると、以前練習で使ったお手頃価格の本革と比べると、断然作業しやすいレザーでした。商品のコストダウンは購入者目線だけでなく、売りやすさの観点でも大事なことです。でも、安い素材を使って作業が困難になれば、作業時間=人件費が嵩みます。作業効率の良さは、モチベーションも上がることから本当のコストダウンに繋がると感じました。

試作4号の検証

合成皮革の試作3号の重さは73gでしたが、本革で作った試作4号は56gで、思った以上の薄さと軽さでした。外観としても高級感があり、ミニマリストの依頼者にも本革の風合いを気に入っていただけたようです。1か月半ほど依頼者のKA-TSU先生に使っていただいた後、その使用感から次回の構想をまとめました。
 
≪検証まとめ≫
・ペンが動いてファスナーに引っかかる。
・表の革に鍵など内側の形が浮き出る。
完成度が高い状態なだけに、普通に便利に使っていただけている状態でした。ペンホルダーの形状は、まだ修正の余地があります。
 
ただ、レザーには合成皮革にはない問題点が発生しました。表の革が1mmなので通常よりも薄く、鍵など内側の形が外に浮き出てしまったのです。使い込むほど味が出るとは言え、たった1か月半でこの状態は問題。表の革の厚みや芯の大切さがよく分かる結果になりました。やはり検証は大事ですね。
 
…試作5号につづく
 

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