さて、商品化に選ばれた後のがむしゃら仕事は続きます。
縫製工場を探す
インターネットのお陰で、縫製工場の検索はできます。しかし、その規模はいろいろ分野もいろいろ、今までにない『てぽか』を作ってくれそうな工場は、どうやって見分けたら?OEMしてますって工場に直接聞くしかありません。
OEMは、委託者のブランドで製品を生産すること、または生産するメーカのこと。(出展:JETRO日本貿易振興機構)
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011247.html
まずは、近い方が打ち合わせなどに良いので、九州に絞って調べました。知りませんでしたが、九州は縫製工場少なっ!縫製の仕事って、関西や東北寄りの方が多い気配です。ともかく近郊で、話を聞いてくれる工場を見つけ、試作品をもとに商品が作れるかを尋ねました。
『てぽか』はまだ完成形ではありませんでしたが、改良や生地の選定なども含め、快く相談に応じてくださいました。そして、全体像を把握したところで見積りを出していただきました。
価格の検討
さて、見積もりをいただいたこともあり、実際に商品単価を考えます。商品を売るには、パッケージや同封するブランドカード、説明書なども必要です。商品は外注するので製造の人件費などは外注費に入ります。でも、商品を販売するための通販サイトの運営や、注文を受けて発送するまでの人件費は別途かかります。
全てを含めた上で利益を出そうとすると、どうしても商品を購入しやすい価格にすることは難しいことが分かりました。どこかを削るならば、製造以外。まず、改良部分は自社で進めて極力試作にお金をかけない。そして、生地も自社で選定し、価格を抑える努力をすることになりました。
…と言うことは、工場だけでなく生地を扱う会社も探すことになったのです。そして、工場もより安く請け負ってくれる所を探すことになりました。OEMしてますって所を片っ端からです。しかも、近郊にないので、商品の形状を見せながら説明できません。面倒ですが、電話で大まかに商品の特徴を説明します。
すると、洋服しか作らない工場特定のブランドとの取引で手がいっぱいの会社など、同じOEMでも対応できない所も多いことが分かりました。数少ない対応できそうな工場に、その頃やっとできた今の形の『てぽか』の試作品を送ったり、九州に来られた社長と直に会って見ていただいたりして、何とか外注の見積もりをいただきました。
ここから、さらに検討をして、やっと商品価格を暫定。どうにか外注できる目途が立ちました。OEMの工場に何件電話しただろう。試作も途中で行き詰ったり、迷走したり。それでも後に引けないから、がんばるしかない。未知のがんばりが続きます。
…このシリーズは商品が出来るまで、つづく